コンタクトレンズについて
コンタクトレンズはご承知のとおり、角膜に直接レンズをのせることで近視や乱視を治す器具です。
近視や乱視は眼鏡等で矯正可能ですが、角膜移植後、円錐角膜では不正乱視が問題となり、十分な矯正効果を得ることは出来ません。
たとえば円錐角膜の場合、軽度では眼鏡やソフトコンタクトレンズ、中等度では通常のハードコンタクトレンズで対応できますが、重度以上の不正乱視では、非球面ハードコンタクトなどの特殊なレンズを駆使し視力を矯正します。
また、ハードコンタクトレンズで不快感を感じる方は、ピギーバック(ソフトレンズの上にハードレンズを乗せる方法)を試みます。
一般のクリニックでは、なかなか多くの症例が経験できませんが当クリニックは東京歯科大学市川総合病院眼科が角膜を中心とした前眼部を特に専門として全国から症例が集まり、また、世界でもトップクラスの角膜移植件数を行っているため、角膜移植後などの多くの難症例コンタクトレンズ処方の経験数を誇っております。
コンタクトレンズは高度管理医療器具です。コンタクトレンズは有効な屈折矯正手段ですが、眼にとっては異物であり、間違った方法で使用していると、下記のような合併症が起きる可能性もあります。眼に重大な障害が起こらないよう、眼科医による処方、及び定期検査が望まれます。
CL合併症
- 巨大乳頭結膜炎
- ソフトコンタクトレンズ装用により発症する、上まぶた裏の結膜の乳頭形成を特徴とするアレルギー性の結膜炎です。乳頭とは、結膜にみられる直径1mm以上の隆起性病変です。原因はレンズの汚れ、まぶた裏への刺激などと考えられています。
- 点状表層角膜炎
- コンタクトレンズ装用者の合併症として最も頻度が高いです。角膜の表面に点状の小さな傷ができます。酸素不足やレンズの汚れなどによる角膜上皮障害です。
- 角膜潰瘍
- 角膜の傷口から細菌が入った状態です。時には失明につながることがあり、コンタクトレンズ合併症のなかでも非常に重篤です。
- アカントアメーバ角膜炎
- 水道水中などに存在する原虫であり、不十分なレンズケアにより角膜に障害をきたします。重篤な視力障害を招いたり、失明に至る場合もある難治な疾患です。
もし、コンタクトレンズについて、ご質問や不明な点などあればご相談ください。