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角膜化学傷や熱傷 、スティーブンス・ジョンソン症候群など、これまで難治性とされてきた眼表面疾患の治療にお いて、自分自身の角膜上皮や口腔粘膜上皮を培養して上皮 シートを作成して移植するという、培養上皮移植術が臨床 応用されています。
この培養上皮移植術は、細胞を培養し、シート化するという基礎医学と、それを移植し安定化させる臨床医学の 交差する分野で、世界の国々の中でも日本が先導的役割を担うと同時に、国内では当科は精力的に行っている施設のひとつです。フィブリン上で培養するという、基質を持たない培養口腔粘膜上皮シート移植は、当科から臨床応用が始まった新しい技術で、より安定した眼表面の再建が期待されています。当科では、角膜センターとの協力体制により、上皮シートの安定供給ができるようになってきました。また、培養時に自己血清を使用するなど、より安全性を高めています。2010年秋には、これまでに蓄積された培養上皮移植のデータを学会で発表しました。今後、これまでの治療経験をさらに多くの患者さんに還元できるよう、エビデンスを積み上げることが重要であると考えています。 |
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