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ゲノム医療時代の到来と診療革新への挑戦
名古屋大学大学院医学系研究科 眼科学教授 西口康二 先生

■メタゲノム解析

  • 眼感染症に対するmultiplex qPCRが高感度、高特異度になってきている。
  • ぶどう膜炎の37%はunclassifiedとなっているが、この中には未診断の感染性ぶどう膜炎が含まれていると考える。
  • メタゲノム解析とは微生物群集をそのままゲノム精製し、直接シークエンスすることで網羅的に解析すること。
  • Nanopore metagenomicsというプラットフォームが急速に発展している。Nanoporeというのは数百グラムの小さな次世代シークエンサーだが、全ゲノムシークエンスができる。安価、迅速、小型という特徴から、どの研究室でも使いやすいというメリットがあり、Nanoporeを通る分子による電流値の変化量を見ている。
  • 全ゲノム増幅を用いることで、少ない前房水中の微量なDNAから約4時間で病原体を特定できる。
  • multiplex qPCRと比較すると、Nanoporeでは少し感度が低い、ノイズが多いという結果があるが、あらゆるゲノムを解析することができる点、薬剤耐性なども検出できる可能性がある点で優れている。
  • mPCR陽性ぶどう膜炎(N=29)、mPCR陰性ぶどう膜炎(N=18)、コントロールとして白内障のみ(N=10)に対して2群比較を行った研究では、2群を比較すると、Bacteria AがmPCR陰性ぶどう膜炎で有意に発現していることがわかった。Bacteria A陽性患者は、比較的マイルドな発作性のぶどう膜炎であるという特徴があった。
  • メタゲノム関連解析により、ぶどう膜炎の重要な病原体が検出できた可能性がある。

■遺伝子治療〜現代と未来〜

  • 接合部型表皮水疱症に遺伝子治療を施して治癒した一例がNATURE誌に報告されている。
  • 現在日本で治験が行われているのは90%がAAV遺伝子補充療法。
  • レーバー先天盲ではRPE5遺伝子変異により出生時からビタミンAサイクルの異常があり、桿体、錐体ともに機能が低下する病気である。
  • レーバー先天盲に対してRPE65遺伝子治療を行った3箇所の研究では、ロンドンでもアメリカの2つの研究グループでも、100倍程度の網膜感度の改善が得られたが、視力は改善しなかった。
  • 高度視覚の可塑性は7歳前後までと言われているため、視力の改善が得られなかったと考えられる。
  • 遺伝子補充療法と異なり、ゲノム編集治療では特定のゲノムの切断や修復などが可能であり、ゲノム編集治療はアメリカの治験で安全性が確認できている。
  • ゲノム編集治療は工程が煩雑になると治療効果がしてしまうが、ゲノム破壊のみでは適応となる疾患がかなり少なくなってしまう。変異置換ゲノム編集ではゲノムを正常化させることができ理想的だが、2つのAVVを要することや低い治療効果となってしまう問題点がある。2つのAVVを単一ベクター化し、治療効率をあげる方法を研究しているところである。
  • 網膜色素変性症の原因遺伝子の一つである、S1653Kfs陽性の患者さんに対してゲノム切断を行うと、82%のゲノムで正常化が得られた。これは変異置換ゲノム編集と比較して極めて高い治療効果を得ることができることから、今後の研究や実用化が期待される。
  • 臨床的に応用する際には、ゲノム変異によって最適なゲノム編集技術を選択する必要がある。
  • 新しいゲノム解析技術の出現により、ゲノム医療はさらに発展すると考えられる。
  • ゲノム医療の推進にはタンパクやmRNA解析などマルチオミックス解析も重要である。

■質疑応答

  • おおよそどのくらいの疾患が治療ターゲットになるか。(島崎先生)
    →今は単一原因遺伝子疾患希少疾患をターゲットとして研究しているが、プラットフォームが確立すれば、今後はAMD、緑内障など多遺伝子疾患、慢性疾患へのターゲットにシフトする。
  • 常在菌の多い前眼部に対するゲノム解析についての見通しはどうか。(滝先生)
    →現時点では前眼部でのゲノム解析はかなり難しいと考えられるが、今度常在菌などに対する工夫ができれば可能になると思われる。
  • 網膜遺伝性疾患は発見時に視力や視機能が落ちた状態の患者様が多いが、遺伝子疾患の発見に対する工夫はどのように考えられているか。(福井先生)
    →現在はやはり若い被験者で効果が出やすいが、3歳以下は視力の評価ができないため小さい子供などへの遺伝子治療の介入へのハードルはかなり高い。遺伝子治療が治療法として確立されれば、全遺伝子シークエンスを行い、早期の治療介入ができるようになると期待している。


 

 
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