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ドーナッツセミナー実施記録
・2021.05.13 第161回ドーナッツセミナー実施記録
はやわかり・最新の視神経炎
北里大学大学院医療系研究科視覚情報科学教授 石川均先生

■疫学・臨床所見
  • 症状:視力低下、中心暗点、瞳孔反応異常(対光反射異常)、眼球運動時痛・眼窩痛
  • 所見:乳頭腫脹、MRI、血液検査など
  • 原因:
    多発性硬化症(MS)、
    特発性視神経炎
    → 抗AQP4抗体陽性視神経炎、抗MOG抗体陽性視神経炎、多発性硬化症(MS)、特発性視神経炎
    広義の視神経炎 → 自己免疫疾患(SLE,シェーグレン症候群, ANCA関連血管炎)による視神経炎、感染(梅毒, ウィルス, 真菌など)による視神経炎
  • 頻度:冬に多く、8,9月は少ない傾向


■分類
典型的視神経炎 → 眼球運動時痛を伴い、亜急性に視力低下。数週間以内に回復がはじまる
→ 主に、MSに関連した視神経炎。
  特発性視神経炎はMSと同じ免疫学的機序で発症。
非典型的視神経炎 → 典型的視神経炎の臨床的特徴が当てはまらない視神経炎で、数週間以内に回復が始まらない。
→ 視神経脊髄炎(NMOSD)、サルコイドーシス、膠原病、血管炎


■関連する因子
視機能向上を妨げる因子: 遺伝的素因(ミトコンドリア遺伝子etc)、併用薬剤、血流(虚血)・視神経乳頭形状、抗AQP-4抗体、抗MOG抗体以外の自己抗体
上記のほかに、抗AQP-4抗体、球後視神経炎型、MRIで視神経の1/2以上の病変、高齢者 なども挙がる。

*抗AQP-4抗体:アストロサイトの側突起に存在するAQP-4に対し、強い免疫反応を示し脱髄に至る

*IL-6の関与:BBBの破綻→単球の漏出→B cellを介したIL-6の放出



■治療
  • ステロイドパルス・血漿交換・免疫グロブリン大量点的静脈(IVIG)が行われる。 全身の副作用もあり、眼科医にとってハードルが高い側面もある。 内科との連携も重要である。
  • 特に、IVIGは新しい今後の治療法の1つとして期待されている。
    ステロイドパルスの効果が不十分で、抗AQP-4抗体陽性患者などが良い適応考えられている。
  • 生物学的製剤について
    →サトラリズマブ(IL-6阻害剤)、エクリズマブ(補体阻害剤)といった、生物学的製剤も治療薬として期待されている。
    しかし、高額な費用・副作用(後者では、髄膜炎の合併による死亡例の報告もある)といった懸念事項がある。


■質疑応答
  • 視神経炎の専門施設に紹介するまでの注意点(草野先生)
    →抗AQP-4抗体や抗MOG抗体だけでなく、梅毒・膠原病、真菌感染(アスペルギルス等)についての検索もする。紹介前に検査を行い、結果が早く出る方が望ましい。
  • IVIGの今後(使用方法が現在は急性期のみであるが、維持期に関しても適応となるか)について(笠松先生)
    →MOG抗体陽性視神経炎やCRIONなどの難治性の再発の多い疾患に関しての維持投与の効果に関しては、現在北里大学で検討中である。
  • ステロイドパルスとミニパルスの適応の違いについて(笠松先生)
    どの量を使用するかに関しては、明らかなエビデンスはない。
    過不足のないステロイド投与量に関しては今後の検討課題であり、北里大学で検討中である。
  • ステロイドを用いた治療の注意点について(長谷川先生)
    →大腿骨頭壊死や肝腎機能の定期的な評価などといった全身への影響は留意が必要。
    コロナウィルス感染・ワクチン接種に関しては現時点では明らかな大きな影響はない印象。
  • 視神経炎の入院適応の基準について(島ア先生)
    →経験に基づく判断によるところも大きいが、両眼性か否か・視力低下の程度・MRIの造影効果などを考慮する。
    患者の社会的背景も関わる。血漿交換を行う場合は入院加療が必要。

 

 
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