OCTを取り出したきっかけの症例:7歳M
不同視弱視疑いで紹介されたが、OCTで中心固視がずれていることがわかった
→弱視治療の方針決定に使える
心因性視力障害で紹介された6歳M
OCTをとるとORTが異常にきづき、X染色体連鎖性網膜分離症と診断された
黄斑形態二次元画像評価
・ 先天眼振:OCTで黄斑部をみると、黄斑低形成、白皮症眼底がみつかることがある。6割は特発性先天眼振、4割は器質的異常があり、cone dystrophy,白皮症、黄斑低形成、視神経低形成などがある
・ AZOORの診断において、多局的ERGで異常波形を検出できるが、OCTでも網膜外層に変化を簡単に見つけることができ診断に有用
乳頭周囲神経線維層厚(cpRNFL)
・ 47歳M両視野異常 MRIで下垂体腺腫を認めた症例
cpRNFLで蝶ネクタイ型に網膜非薄化、bowtie atrophyを認める
・ 視神経炎ではレーベル病との鑑別でFAを行う、また、炎症ではcpRNFLが著明に腫脹しOCTで分かる。またcpRNFLは経過中変化認めなくとも、GCCの非薄化が視力回復後に現れることもある。抗AQP4抗体陰性視神経炎はOCTの変化は比較的軽度であるのに対し、抗AQP4抗体陽性視神経炎はGCCに早期から不可逆的変化をきたす
・ LHONではcpRNFLが長期間腫脹、一方GCCは徐々に全象限で萎縮。視野進行は亜急性、両眼発症している症例も片眼発症と間違えやすい。Idebenone投与を早期から行われたもののほうが視機能改善傾向著明、また、三村先生の研究では発症から長期間たち視野異常が高度な例でも回復する可能性が示唆された
・ 心因性視力障害が疑われた7歳M
対抗反射良好でもOCTでみると視神経萎縮を認める→優性遺伝性視神経萎縮症の診断
・ 圧迫性視神経症の初期ではcpRNFLの腫脹が著明
・ 視神経鞘髄膜腫にたいし高度変調放射線治療(IMRT)が有効
網膜神経節細胞層厚解析(GCC)
・ 両耳側半盲の77歳F
GCC非薄化を認める→LGN以前の視路の変化はOCTで網膜内層に典型的な変化を認める
・ 右同名半盲 67歳F
肺がん治療でカルボプラチン使用 GCC非薄化あり、MR反復施行で、6ヶ月後視索病変が判明、GCCの変化が視索病変に先行している。他症例ではOCTではGCCで異常認めるもMRIでの病変がみつからないものもあり、OCTがMRIよりも感度がいい可能性ある
・ EB視神経症はミトコンドリア呼吸機能に必要な亜鉛欠乏により、網膜神経節細胞に障害をきたす。このため、ミトコンドリア視神経症にLHON,優性遺伝性視神経症、薬剤性(EB,など)を含める考え方が提唱されている。ミトコンドリア視神経症の特徴は対向反射が比較的保たれており、急性〜亜急性期に乳頭充血とcpRNFL腫脹がみられることがある
・ 中毒性視神経症でもcpRNFL、GCCの非薄化がみられる、MRIでは脳の著明な萎縮。中毒性視神経症疑いでも対向反射正常、cpRNFL、GCC正常で詐病の症例も
・ GCC解析の問題点としては、cpRNFLよりも黄斑浮腫や黄斑前膜などの黄斑疾患の影響うけやすい、またうっ血乳頭やNAION,糖尿病乳頭症の早期に時に黄斑部に漿液性剥離をきたすため、精度低下、解析誤差が大きくなる、網膜虚血や変性疾患の既往の影響をうけやすい
・ 乳頭逆位の症例
①OCT正常→HCLを使い屈折調整することで視力をえた ②OCT視神経低形成を認めた
・ 視神経炎?と思う症例でもOCT生データをみると後嚢白内障が原因であったりする、生データもちゃんとみるように
・ 視神経疾患でのOCTdeha
・ | 早期cpRNFLが視神経乳頭腫脹の判定に有用 | |
・ | 早期をすぎるとGCCの非薄化が鑑別、予後推定に有用 | |
・ | 対向反射の良好な視神経症も存在する | |
・ | 視野と同様GCCも経緯が大切 | |
・ | GCCにより詐病や心因性との鑑別が容易になった |