<take home message>
・塗抹をマスターしよう
・角膜炎は角膜から採取
・塗抹と培養を比較
・掻爬を遠慮しない
・掻爬したあとは一過性に所見悪化する
・薬が効き出すと表層は壊死組織がでるのでデブリ
・なんでもherpesと結論づけない
・上皮欠損の大きさで効果判定しない
・PEDを考慮
・AG系抗菌薬、ACVはいきすぎない
・真菌にはステロイド投与しない
・黄色い膿瘍に気づいて、外科的治療を考慮
・術後半年は真菌も考慮
・重症感染では、瞳孔ブロックの可能性(虹彩炎→硝子体圧↑→水晶体前方移動)
<角膜感染症が治らないときに考える事項>
1、原因菌不明
2、薬剤到達が中途半端
3、薬剤効果が不安
4、強い炎症
5、穿孔
1、原因菌不明
「掻爬」
・細菌はやわらかい、真菌は硬い
→infiltrationの周辺をすること!
・アメーバ:初期はボーマン傷つけないように上皮のみ擦過(上皮にいるから)
完成期はしっかりゴルフ等などで擦過
→角膜中央部をすること!(周辺は免疫反応であってアメーバいません)
c.f. アメーバの典型的所見:面状の不正な上皮欠損、リング状の上皮欠損 も忘れずに!
「薬剤性vsヘルペス(下記は前者の特徴)」
・dendritic tailなし
・周辺へのフルオの広がり
・周辺の透明度が高い
・眼瞼結膜の充血
「再発性上皮びらんvsヘルペス(下記は前者の特徴)」
・角膜上皮接着不良
・接着不良辺縁にフルオ陽性染色
・ターミナルバルブなし
・同部位に再発
「真菌」
典型的なものは、
・羽毛状
・全体的に汚い
・深層に侵入(retrocorneal plaque)
非典型的なものとして、
・表層性
・長期に静かに生息
・ステロイドで修飾
・無生物のふりをする
2、薬剤到達が中途半端
真菌は全身投与をためらわないこと!
「酵母菌」
→たいていの抗真菌薬効く
「糸状菌、フサギウム」
→実はピマリシンが一番効く
3、薬剤効果が不安
・掻爬後の一過性悪化に注意(3日後にスタート)
・中途半端な量を投与しない
・効果判定時期まで我慢(3、7日後)
・効果判定の評価項目(充血、実質浮腫、細胞浸潤、前房蓄膿、朝一のめやに)
・変わった菌(放線菌、MAC)
放線菌は初期はEKCみたいなかんじ
MACは初期はヒビ割れたガラス様
・アミノグリコシドは6X以下にしよう
4、強い炎症
・PEDには消炎が必要
・緑膿菌後の続発性強膜炎は消炎が必要(ステロイド内服してok)
・アメーバで生じる遅発性上皮下浸潤は免疫反応であり、アメーバの活動性を示唆するものではない
→しかしアメーバでは、一番炎症強いときにステロイド(FLM1週間だけとか)を一過性に使って消炎するのはよい!もちろんそれで所見は良くなったようにみえるが環境を整えるためにしょうがなく使う!
(真菌の場合は最後までかならずステロイド禁忌)
5、穿孔
真菌+ステロイド+翼状片=穿孔します。
好中球集積が白色→黄色に変色していたら外科的に切除を考慮