持続する高血糖によって、血管内皮細胞の障害・機能異常が起こる
血管透過性の行進、網膜浮腫
内皮アポトーシス
血管退縮、網膜虚血→VEGF→血管新生・繊維血管増殖
1、RCT
1.VEGF阻害薬(ペガプタニブ、ラニイズマブ、アフリベルセプト)
視力を改善
2.抗炎症ステロイド薬
(トリアムシノロン、フルオシノロン)
DRCR network:視力をかえって悪くする(白内障の進行による)
ステロイドもVEGFと同程度の作用
生化学的側副路
PKC活性化、AGE生成、ソルビトールの蓄積
@ | PKCβ阻害薬 有効でなかった |
A | AGE阻害薬 副作用で中止 |
B | あるどーす還元酵素阻害薬(ARI) プラセボを置いていない研究であるため、信頼性がない |
レニンーアンジオテンシン系阻害薬
@ ACE阻害薬
A ARB
DIRECT試験の結果
1型糖尿病において、RAS抑制薬(ATL-R阻害薬カンデサルタン)は網膜症新規発症を予防した
2型糖尿病において、RAS抑制薬は 予防
循環RAS 血管収縮、塩分体液保持(血圧上昇)
組織RAS 血管内皮細胞、ミューラー細胞、神経細胞にRAS分子が存在
炎症・細胞増殖(組織リモデリング)に関わる
2 VEGFの関与
血管透過性因子の発見
血管内皮増殖因子の報告
同一のものであることが分かった。
炎症(炎症細胞をリクルートし、接着させる)と血管新生
動画
VEGF165を投与した血管→血管透過性亢進
白血球の内皮面への接着
3大血管病態はすべて炎症である
浮腫(透過性亢進)、虚血(血管退縮)、血管新生
糖尿病網膜症の病態へ白血球は関与するのか?
- 糖尿病患者網膜で白血球浸潤とICAM−1発現亢進がみられた
- 糖尿病モデル動物でICAM−1を阻害するとBRB破綻が改善した
糖尿病網膜症は炎症疾患である
モデル動物の接着白血球は経時的に増加する
マクジェンモデルにおいて接着とBRB破綻を抑制した
炎症はVEGF165を介している
VEGFアイソフォーム
眼内で賛成する主なアイソフォオーム VEGF121とVEGF165(霊長類)
両者の違いはExon7code領域の有無で、ここがpegaptanibの結合部位 マクジェンは121では阻害できない
Neuropilin-1はExon7コード領域に結合し、VEGF165に特異的な受容体である
軸索の伸長に関わる
DMRの繊維血管組織は血管密度が大きい
血管新生の活動性はVEGFR-2とNeuropilin-1受容体の共同発現によって抑制される
VEGF164はVEGF120より強力に炎症性サイトカインとしての生物活性を発揮する。
VEGF164選択的阻害→病理的血管新生のみ抑制、生理的血管新生は温存
全アイソフォーム阻害→病理+生理的血管新生を抑制
網膜の血管新生における白血球の役割は?
単球・マクロファージ系の細胞は病理的網膜血管新生を抑制する
(白血球はVEGFを産生し、血管新生に関わる)
炎症細胞とVEGF165による悪循環・病態ループ
糖尿病黄斑浮腫
VEGF→R1→IL6の産生→IL6R→VEGF(ループを形成)
R2→細胞分裂・増殖
3 RASの病態関与
正常血圧の糖尿病患者にRAS阻害薬(ACE阻害薬リシノプリル)は糖尿病網膜症の進展予防に有効
網膜血管、新生血管におけるAT1−Rの発現
AT1−R阻害による白血球接着抑制
網膜症の病態分子ICAM−1,VEGFはRASの下流(AT1Rシグナル)で抑制される
AT1R阻害によるNF−κB活性化の抑制
AT1−Rシグナル阻害による網膜RASコンポーネントの減少
網膜RASと炎症シグナルの悪循環・病態ループ
4 RAPSの病態関与
糖尿病とRASをめぐる三大謎
- 低レニン血症なのにRAS抑制が有効
- プロレニンが予測に有効
@+A=Receptor-Assisted Protein system
プロレニン受容体阻害
プロレニン受容体シグナルを介するVEGF発現
ヒトPDR硝子体における可溶型(プロ)レニン受容体
(Kanda et al, Diabetologia.2012)