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ドーナッツセミナー実施記録
・第112回ドーナッツセミナー
「シェーグレン症候群における腺破壊の分子生物学メカニズム」
東京歯科大学市川総合病院 内科 津坂 憲政先生

1.SjS患者の涙腺におけるαEβ7、E-cadherinによる腺破壊機序

  • SiS患者の涙腺では腺周囲にCD8陽性T細胞浸潤が認められる
  • anti-αEβ7で腺周囲が染まり、anti-E- cadherinで腺上皮が染まる
    → 「腺上皮細胞―E-cadherin−αEβ7―CD8陽性T細胞」の結合

  • E- cadherinは5つのドメイン(D-1〜5)からなる
    →どこがαEβ7との結合に関与しているか?
  • homophilic adhesion(E- cadherinどうしの結合)
    →D1、D2、D3、D4欠損では凝集しないが、D5欠損では凝集する
    ◎homophilic adhesionにはD-1だけでなく、D-2、3、4も関係している!
  • heterophilic adhension(E-cadherinとαEβ7の結合)
    →@どちらかの抗体を入れると2者は凝集しない
     AD-5欠損では、E-cadherinどうしは結合するが、E-cadherinとαEβ7の結合はない
     ◎D-5 はE-cadherinの上皮間接着機能に影響を与えずαEβ7の接着を阻害する
       標的として非常に適した部位だと考えられる!

2.SjS患者の涙腺におけるIP3R発現亢進

  • IP3R(イノシトール三リン酸受容体)とは?
    1. 細胞内のCa2+貯蔵庫である小胞体に局在し、Ca2+を放出することで細胞内のさまざまな活動を抑制
    2. 発現低下によりアポトーシス抑制、IP3RからのCa2+増加によりアポトーシス亢進
  • IP3R-2とIP3R-3のダブルKOマウスは唾液腺機能を低下させる
    (Furarugi A.et.al.Science,2005)
  • A)原発性SjS患者(RAなどの随伴なし)とB)non SjS患者の涙腺組織のRNA量を定量化すると、CD4,CD8,CD19ではAとBに差はなく、IP3R-1,IP3R-2,IP3R-3ではA<B 免疫染色でもBにおいて、IP3R-1,IP3R-2は腺管細胞に濃く染まる(IP3R-3は抗体がない)
    ◎SjS患者の涙腺組織では、IP3R-1発現亢進によってアポトーシスが促進され、腺破壊を惹起させる可能性があることが示唆された!

3.ミクリッツ病におけるFasL発現低下

  • ミクリッツ病:SjSの一つの亜系ととらえられてきたが、(IgG4が患者の血中で高く発現することから)最近ではIgG4 related diseaseととらえられている
腺機能
涙腺・唾液腺腫脹
SjS

大幅に低下

著明ではない
ミクリッツ病
若干低下
著明

この差はどこにあるのか?

  • ミクリッツ病患者の涙腺・唾液腺の腺管周囲に浸潤するリンパ球ではFasLを欠損、もしくは、発現が低下するためにアポトーシスには陥らず、著明なリンパ球を呈する。

    ◎ミクリッツ病患者ではFasL genomic DNA promotor領域のpoint mutation (T→T+C)に伴うFasL発現低下が著明なリンパ球浸潤を引き起こすことが推測されALPS(Autoimmune Lymphoprolierative Syndrome)  typeTbの病因を考察する上でも重要な知見と考えられた。

 
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