■ 不定愁訴
- 訴えが具体性に乏しく、形容的、感覚的なもの
- 訴えが多岐にわたり、焦点がしぼりにくい
- その愁訴に対応した器質的疾患を連想しにくい
■ 不定愁訴解決のコツ
- 調節、屈折が適正に矯正されていない。
- 眼表面が快適でない
- 眼球に違和感、疼痛、圧痛
- 実際に視力、視機能が低下している。
- 両眼視の異常
- 複視、動揺視の存在
・眼筋マヒ、吹抜骨折、甲状腺眼症など
・眼振、振動、上斜筋ミオキミア
- 眼球運動が円滑でない
・機械的:甲状腺眼症、軸性近視、眼窩腫瘍・偽腫瘍など
・眼球運動中枢障害に伴う眼球運動異常
- 眼瞼の問題
- 不適応の問題
■ Dysthyroid ophthalmopathyでは多彩な不定愁訴あり
- 典型例は眼球突出、眼球後退、眼瞼腫脹、上転および外転障害、上眼瞼遅延(lid lag)
複視、突出、表情の変化が主訴となるが、よく聞くと眼精疲労様の種々の訴えあり
- 軽症例では わずかな眼瞼腫脹やごく軽度の上外転障害のみ---しかし訴えは多い
■ 甲状腺眼症は眼科の疾患!
- 甲状腺機能亢進症(Graves disease)の50−60%に眼症
- 甲状腺機能が正常の場合も多い→甲状腺自体は治療段階にない
- 甲状腺疾患の活動性と眼症の活動性は独立
甲状腺眼症における抗核抗体陽性率
TSAbは必ず検査にいれる(眼科で調べる)
■ 本態性眼瞼痙攣
症状
- 眩しい 95%
- 目を開いていられない、目をつぶっていた方が楽 92%
- 目が乾く 51%
ドライアイ外来には10−20%の眼瞼けいれん患者があるはず!
■ 眼瞼痙攣の治療と管理
眼瞼痙攣は難治な中枢性疾患
- 誘因(薬物、環境)がある場合は早期に離脱
- Botox治療(閉瞼を弱める)
- Muller筋タッキング(開瞼を楽にする)
- 抗コリン薬の応用(アーテンなど)
- 固有知覚の利用
- クラッチ眼鏡
術後不適応症候群
- 白内障や硝子体手術などのあと、視力改善がみられるのに、「まぶしい」「見にくい」などと頑固に訴え、しばしば術者とトラブルになる。
- 両眼視がうまくゆかず、術眼から中枢へ入力する情報が、統合されず、むしろノイズになっている。
- 術前単眼視に適応している場合に出やすい。
- 斜視、斜偏視があったり、術後不同視、不等像視が予測できる場合は、視力改善目的の手術は比較的禁忌である。
- 受けた手術に対して成果を自覚できず、あるいは却って悪化したと感じ、手術という行為に対して負の評価をし、受け入れられない状態。
- 患者はそのことで常時悩んでおり、日常生活、精神活動にも多大な影響を及ぼす。
- 患者は手術を行った医師の診断、手術への過程(説明など)、さらに手術自体への不満を述べる。特に「手術が失敗した」と思い込みやすい。
- 眼科は、「視覚」という日常生活に必須で高度な自覚機能を扱うため、その不都合が不満となってあらわれやすい
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