一般に「はやり眼」として知られ、院内感染を起こしうることで有名なアデノウイルス結膜炎(流行性角結膜炎)について、その分野で第一人者として知られる薄井紀夫先生を講師にお招きしてドーナッツセミナーを開催しました。
まずご自身の経験談も含め、院内で流行すると病棟閉鎖に追い込まれることもあるアデノウイルス結膜炎の感染力の強さ、対策を怠った時の恐さをお話いただきました。その後実際的な院内感染対策の講演へと移っていきました。
何の対策も行わないと非常に感染力の強いアデノウイルスですが、各種の滅菌・消毒が有効です。流水での手洗い、手洗い後のアルコール消毒やウエルパスでの消毒が有効であること、器具の消毒・滅菌は普通に行われている方法でよく、こまめに消毒することが重要であることなどを強調されていました。
また、「眼脂で眼が開きにくい」「涙が出る」といった症状のあるアデノウイルス結膜炎が疑われる患者様への適切な対応についてもお話されました。感染者の診療状況を空間的・時間的に他の患者様と区別することで院内感染を防ぐことができ、かつ感染者に対して適切な診療が行えることも教えていただきました。
アデノウイルス結膜炎の院内感染をむやみに恐れることなく、適切な対策が重要であることがよく理解できた講演でした。
文責:冨田 真智子
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