網膜中心動脈閉塞症 Central Retinal Artery Occlusion
Cherry red spot・Emboli
高齢者が大半
網膜中心動脈(球後部)の血栓症
心臓・頸動脈からの塞栓症
高血圧・糖尿病・心血管疾患・動脈硬化のスクリーニングが必要
若年発症例:血管炎(PN・SLE・梅毒・結核)
稀に片頭痛・薬剤性・側頭動脈炎
一過性黒内障の既往に注意
■若年者
頸動脈疾患・心疾患・血管炎・僧房弁逸脱・片頭痛・血液粘度異常
■栓子(Emboli)
Cholesterol:閃輝・頸動脈に注意・無症状も多い
Fibrin/Platelet:頸動脈に注意・心血管バイパス手術後
Calcific:大動脈弁狭窄・上行大血管の原因・左眼に多い
Talc:薬物中毒
Fat:多発骨折
内科依頼の際にEmboliの種類も伝えるべき!!
■杏林CRAOスタディー
発症後48時間以内なら回復の可能性あり
全身合併症がかなり多い(HT・DM・MIなど)→生命予後にかかわる
内科依頼するべき→脳梗塞・内径動脈閉塞で脳外へ転科し手術した症例あり
治療→眼球マッサージ・前房穿刺・眼圧下降剤
22眼中14眼で視力改善
網膜中心静脈閉塞症 Central Retinal Vein Occlusion
出血・血管透過性亢進・黄斑浮腫・虚血・網膜網細血管閉塞・新生血管
高齢者・動脈硬化・高血圧・糖尿病
視神経内で網膜中心動脈と外膜を共有
動脈硬化・肥厚で静脈を圧迫
起床時発症が多い:睡眠時の低灌流・脈拍の減少・眼圧上昇が関係?・低血圧?・慢性高眼圧(緑内障)
血液粘度亢進:両眼性・軽症が多い
若年発症:静脈炎(サルコイドーシス・ベーチェット病)・原因不明も多い(先天性血管異常も含む)
■視力低下の原因
黄斑浮腫
黄斑出血
黄斑虚血
新生血管(硝子体出血・網膜剥離・血管新生緑内障)
10乳頭径以上の無灌流領域で血管新生が増加
初診時に視力の悪い例は予後不良
網膜静脈分枝閉塞症
動静脈交叉部では動脈と静脈で血管外膜を共有
動脈の硬化性変化は静脈壁を圧迫
圧迫された静脈に乱流
乱流による血管内皮障害
血小板やフィブリン付着で血栓
急性期に閉塞静脈は拡張・蛇行
側副血行・拡張と蛇行血管減少・閉塞部血管の白鞘化
治 療
■BRVO
後部硝子体剥離+内境界膜除去
硝子体牽引の解除
網膜内層への酸素分圧の上昇
網細血管レベルの再灌流
動静脈交叉部鞘切開:A/V crossing Sheathotomy
■CRAO
後部硝子体剥離+内境界膜除去
網脈絡膜吻合術:YAG手術
Radial Optic Neurotomy
篩状板とscleral ring に減張切開を加え、組織の収縮瘢痕のよって網膜中心静脈周囲のスペースを広げ、循環を改善させる
Lamina puncture
Steroids / Anti-VEFG
Fibrinolytic therapy
黄斑浮腫に対する治療は、視力0.5以下なら硝子体手術、視力0.5以上ならトリアムシノロンのテノン嚢内注入が主流
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