「次世代眼科医療を目指す、ICT/人工知能を活用した画像等データベースの基盤構築 プロジェクト5(感染性角膜炎病原体診断AIの構築)」について
はじめに
医療の適正化、医学の向上を目的として、日本眼科学会では、全国の基幹病院から画像データならびに基本的な診療データを広く集める事業をおこなっています。
その事業の一環として、人工知能(AI)を用いて、前眼部画像から自動的に眼科の疾患の診断支援を行うプログラムの作成をめざしています。
この研究は、全国の医療機関から前眼部画像とそれに関連する情報を匿名化して収集するもので、患者さんに侵襲や治療行為などの介入がない研究です。
この研究は鳥取大学医学部倫理審査委員会の承認を経て、東京歯科大学市川総合病院の承認を受けており、協力施設として全国の医療機関と協同して行っています。詳細は以下のとおりです。
- 研究概要および利用目的・方法
本研究では、2023年4月30日までに感染性角膜炎と診断され、病原体が特定され、かつ前眼部画像を撮影した患者さんを対象に、カルテ等の診療情報から得られる前眼部写真、診断名、原因病原体の種類、患者基本情報及び臨床経過(氏名・生年月日等の個人情報は除く)をもとに研究を実施しています。得られた情報を元に人工知能(AI)を用いて、前眼部画像から自動的に眼科の疾患の診断支援を行うプログラムを作成することを目的としています。本研究のために患者さんに負担や危険を伴う検査や処置などを行うことはありません。
すべての情報は、鳥取大学医学部附属病院(研究代表施設)に送付され、集計されます。
本研究に参加される患者さんは、他の研究参加者への個人情報保護や本研究の独創性の確保に支障がない範囲で、研究計画書及び研究の方法についての資料を入手又は閲覧することができます。希望される方は、遠慮なく問合せ窓口にお申し出ください。
参加施設
情報収集機関:鳥取大学
情報提供機関:以下の大学等から情報を収集いたします。
東京歯科大学市川病院、宮田眼科病院、広島大学、福島県立医科大学、筑波大学、大阪大学、杏林大学、いしづち眼科
情報解析機関:鳥取大学
※参加施設及び情報解析機関については今後増加することが検討されておりますが、実際に参加施設等が増加する場合は、再度その旨を情報公開いたします。
※収集した画像は、解析のため、人工知能モデルの開発を委託するクレスコ社に提供されます。
- 取り扱う情報(測定項目)
患者さんのカルテ等の診療情報から以下の項目を集めさせていただきます。
【患者さんの情報】
1.前眼部写真と撮影日
2.診断名
3.原因病原体の種類
4.患者の年齢と性別及び発症日(氏名・生年月日等の個人情報は除く)
5.角膜写真と写真所見の説明(染色の有無、角膜移植の有無、穿孔の有無、スリット光の有無)
※収集するデータについては、機器の進歩や解析過程で追加されることがありますが、増加する場合は、再度その旨を情報公開いたします
- 研究期間
この研究は、東京歯科大学市川総合病院の病院長が研究の実施を許可した日から2027年3月31日まで行う予定です。
- 個人情報保護の方法
患者さんの情報は、研究責任者が責任をもって保管、管理します。また、氏名、カルテ番号などの直ちに個人を識別できる個人情報は匿名化*され、本研究では匿名化された情報を使用、提供します。このようにして患者さんの個人情報の管理については十分に注意を払います。
収集されたデータは、政府の定めた「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律についてのガイドライン」に基づき、特定の個人の識別や復元ができないように処理をしたうえで、暗号化されたデータを格納したUSBなどの携帯型記憶メディアもしくは高いセキュリティを持ったSINET等の回線を介して鳥取大学に送られます。このデータに対して、深層学習等を活用し、前眼部疾患の診断プログラムの作成を行います。データの収集やアクセスの管理については、国の医療情報管理指針などを参照にして厳格に行います。
*匿名化について:本研究にご提供いただく情報については、患者さんの氏名、住所、電話番号、カルテ番号など、患者さん個人を直ちに特定できるような情報をすべて削除し、代わりにこの研究用の登録番号をつけます。なお、研究の過程で情報がどの患者さんのものかを知る必要がある場合も想定されます。その場合に備えて、情報と患者さん個人を結びつけることのできる対応表を作成させていただきますが、この対応表は研究責任者によって鍵のかかる保管庫で厳重に管理されます。
- 研究への情報提供による利益・不利益
利益・・・今回の研究に情報をご提供いただいた患者さん個人には、特に利益と考えられるようなことはございませんが、研究の成果は、将来の感染性角膜炎の診断や管理法の進歩に有益となる可能性があります。なお、情報を使用させていただいた患者さんへの謝礼等もありません。
不利益・・・カルテ等からの情報収集のみであるため、特にありません。
- この研究終了後の情報の取り扱いと公開範囲について
今回、集めさせていただく患者さんの情報が医学の発展に伴い、他の病気の診断や治療に新たな重要な情報をもたらす可能性があります。このため、患者さんの情報は、この研究終了後も保存させていただき、他の研究に使用させていただくことがあります。その場合は、新たに研究計画をたてて研究に参加する医療機関の倫理審査委員会での審査を経て、他の研究に使用させていただきます。
研究成果は国際・国内学会発表及ひ゛論文発表を予定しています。 なお、本プロジェクトで収集された、個人を識別できる情報は一切含まない匿名加工(非識別加工)データを、公的機関等に開示、または公共データベース等で公開する可能性があります。また、本研究の学術的成果物がソフトウェアとして企業により商用販売される可能性があります。
情報は、当該研究期間終了後10年保存します。保存期間終了後は、患者さん個人を特定できない状態にして適切に廃棄します。
- 研究への情報使用の取り止めについて
患者さん個人の情報を研究に用いられたくない、または日本眼科学会・鳥取大学医学部附属病院(研究代表施設)への情報の提供を停止したい場合には、いつでも取り止めることができます。取り止めを希望された場合でも、担当医や他の職員と気まずくなることはありませんし、何ら不利益を受けることはありませんので、下記【問い合わせ窓口】までお申し出ください。未成年者の方では、保護者の方(父母、成人の兄弟、祖父母、同居の親族などの近親者)からの研究不参加のお申し出やお問い合わせに対しても対応いたします。
取り止めの希望を受けた場合、患者さんの情報を使用することはありません。この場合には、個人を特定できない状態にして、速やかに廃棄させていただきます。
しかし、取り止めを希望した時点で、すでに研究成果が論文などで公表されていた場合のように、結果を廃棄できない場合もあります。
- 当該臨床研究に係る資金源について
本研究は、文部科学省科学研究費及び東京歯科市川総合病院眼科の研究費で行っており、特定の企業からの支援を受けて行われるものではなく、利益相反状態にはありません。
- 研究成果の公表について
研究成果が学術目的のために論文や学会で公表されることがありますが、その場合も、患者さんの個人が特定される情報は全て削除して公表します。情報の秘密は厳重に守られますので、第三者に患者さんの個人情報が明らかになることはありません。
- 知的財産権の帰属について
本研究結果より、学会あるいは論文発表に伴うものやその他の知的財産権・およびそれに伴う利益等が生じる可能性が考えられます。また、本研究は学術研究目的で実施されますが、本研究で取得された画像に基づき開発されたアルゴリズムが、結果的に、ソフトウェアとして企業により商用販売される可能性があります。これに伴い、この研究から特許権、また、それを基として経済的利益が生じる可能性がありますが、その権利は研究責任者側に属し、本研究の研究対象者がこの権利を持つことはございません。本研究に参加していただいたあなたがその権利を持つことはないことをご了承ください。その他、研究成果は、本研究の研究責任者側のものとなります。
どの場合においても、あなたの個人情報を適切に守るため、あなたが特定されるような情報を出すことはありません。
研究代表施設および研究代表者の情報
宮崎大 鳥取大学医学部附属病院 眼科 教授
〒683-8504 鳥取県米子市西町36-1
TEL:0859-38-6617/FAX:0859-38-6619
- 問い合わせ窓口
本研究についてのご質問だけでなく、患者さんの情報が研究に用いられているかどうかをお知りになりたい場合や、患者さんの情報の使用を望まれない場合など、この研究に関することは、下記の窓口までお問い合わせ下さい。
【研究責任者】山口 剛史
東京歯科大学市川総合病院 眼科 教授
〒272-8513 千葉県市川市菅野5-1-13
TEL:047-322-0151
- 研究実施機関および研究責任者
鳥取大学医学部附属病院 |
眼科 教授 |
宮崎 大 |
東京歯科大学市川総合病院 |
眼科 教授 |
山口 剛史 |
宮田眼科病院 |
院長 |
宮田 和典 |
広島大学医学部 |
眼科学講座 診療教授 |
近間 泰一郎 |
福島県立医科大学 |
眼科学講座 教授 |
石龍 鉄樹 |
筑波大学医学部 |
眼科 教授 |
大鹿 哲朗 |
大阪大学医学部 |
眼科学教室 教授 |
西田 幸二 |
杏林大学医学部 |
眼科学教室 教授 |
山田 昌和 |
いしづち眼科 |
院長 |
鈴木 崇 |