東京歯科大学市川総合病院眼科において下記内容の研究を行っています。ご理解・ご協力の程お願いいたします。
- 研究の名称
「内皮移植用ドナー組織片作製方法による臨床成績の後方視的研究」です。
- 研究の目的
近年の角膜移植術は、角膜の障害された部位のみを交換するいわゆる「パーツ移植」が主流となっています。角膜内皮移植術(DSAEK)に使用されるドナー組織片は100マイクロケラトーム程度の厚みとなるように加工が必要です。当院では、2009年よりDSAEK用ドナー組織片の加工を実施してきましたが、厚みが安定しないことが問題となっていました。
これまで我々は、機械式のマイクロケラトームを用いたカット方法に着目し、試験的なカットを実施しました。当機器を用いたカットは厚みの差が少ない・均一な厚みのドナー組織片を得る事が可能である事を発表し、2018年より臨床への使用を開始しました。今回、機械式マイクロケラトームにより作製されたドナー角膜を用いた手術が患者さんの予後にどのように貢献するかを検討することとしました。当院で内皮移植を受けられた患者さんの臨床情報を集積し、内皮移植用ドナー組織片作製方法やドナー角膜の特徴と共に評価する事で最適なドナー角膜を得る方法を明らかにしたく考えています。本研究結果により得られる高品質な内皮移植用ドナー角膜片の作製は、限りあるドナー資源を守り、同時に患者さんの早期視力回復へとつながると考えています。
- 対象となる方
2014年3月〜2021年4月の間に当院で角膜内皮移植の手術を受けた方について後に述べる情報を調べます。試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんにご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
- 研究方法
2014年3月〜2021年4月に当センターにおいて機械式もしくは従来の手動式マイクロケラトームによりDSAEKグラフト作製を実施したドナー角膜を用いて移植された患者さんの情報を解析します。マイクロケラトーム毎のカットの精度を比較し、正確なカットに必要な因子の解析を実施した後、手術に用いたドナー角膜のグラフトの特徴と手術後の視力経過、内皮細胞密度の変化、角膜厚の経時変化を後方視的に調べます。
- 研究に用いる試料・情報の種類
手術前後の医療情報を使用します。具体的な項目は、
- 基本情報(性別、年齢など)
- 手術方法
- ドナー角膜の情報
- 移植片の経過
- 角膜移植後の視力と角膜厚
- 内皮細胞密度
- 角膜移植後の視力と屈折度数
です。
氏名や住所、生年月日、カルテ番号などの個人情報は含まれません。
- 個人情報の取扱いについて
カルテ情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、インターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
- 試料や情報の保管等について
研究において得られた試料や情報はこの研究のみに使用し、研究終了後は5年間保存した後、個人を特定できる情報がない事を確認してから破棄します。
- 予想される利益と不利益について
この研究では、患者さんがこれまで受けた治療の経過に関する情報を提供するだけですので、新たにご負担が発生したり、不利益を被ったりすることはありません。
- 利益相反について
この研究に関する必要な費用は、東京歯科大学市川総合病院眼科研究費でまかない、研究遂行にあたって利益相反状態にはありません。
- 研究に関する情報公開の方法について
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報および知的財産の保護に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
- 倫理審査委員会の承認
今回の研究の実施にあたっては、東京歯科大学市川総合病院倫理審査委員会の審査承認および病院長より許可を受けています。
- お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら、下記の連絡先までお問い合わせください。
千葉県市川市菅野5-11-13
東京歯科大学市川総合病院
眼科 島崎潤(研究代表者)
電話番号:047-322-0151