東京歯科大学市川総合病院眼科では、「本邦における角膜移植の適応と術式の現状」という研究に参加しています。この説明文書は、研究にご協力いただけるかどうかを決めていただくための資料です。説明文書は、説明を補い、研究内容を理解していただくためのものですので、お読みになり、研究に参加しても良いとお考えの場合は、ご協力くださいますようお願いいたします。
説明の中で分かりにくい事や疑問がありましたら、遠慮なく担当医へお尋ねください。
- 研究の名称
「本邦における角膜移植の適応と術式の現状」です。
- 研究の目的
角膜移植の対象や術式はこのところ大きく変化しています。当初は角膜全層を交換する全層角膜移植が中心でしたが、近年は、障害された部位のみを交換するパーツ移植が主流となっています。本邦では20年前に日本角膜学会主導で水疱性角膜症に対する全層角膜移植についての全国調査が行われましたが、その後、詳細な調査は行われていません。
今回、日本角膜学会および日本角膜移植学会主導により本邦における角膜移植の術式、適応、合併症、治療成績等について全国的な調査を行うこととなりました。本調査によって本邦における角膜移植の実態が明らかになれば、日本人眼に対する最適な術式選択や現行の治療方法の改善に有効であると期待されています。研究期間は、当院の倫理委員会の承認が降りてから、2024年9月30日までとしています。
- 対象となる方
2017年1月〜2019年12月の間に当院で角膜移植の手術を受けた方について、後に述べる情報を調べます。
- 研究方法
日本角膜学会会員の医師が所属する施設に対してアンケート調査を行い、各施設の研究責任者、分担者が、「大阪大学REDCap(Research Electronic Data Capture)」というデータ集積管理システムに調査結果のデータを登録することにより、回答を収集いたします。収集したデータは解析を行い、日本における角膜移植の実態を明らかにするとともに、今後の角膜移植における最適な術式の選択や、現在行われている治療法の改善について検討いたします。
- 研究に用いる試料・情報の種類
病歴や治療歴等の診療情報を使用いたします。具体的な項目は、
- 手術日
- 手術を受けられた時の年齢
- 性別
- どちらの眼に手術を受けたか
- 角膜移植を受けることになった原因
- その他の眼の疾患(併発症)
- 手術前の視力
- 角膜移植の術式
- 同時に行った手術内容
- 術中・術後の合併症の内容
- 角膜移植後の移植片の状態
- 再手術の有無
- 最終受診日
氏名、住所、生年月日、カルテ番号などの個人情報は含まれません。
- 研究の実施体制
①研究代表機関
施設名 |
研究責任者 |
大阪大学医学部附属病院 |
西田 幸二 |
②共同研究機関
施設名 |
研究責任者 |
東京歯科大学市川総合病院 |
島 潤 |
京都府立医科大学附属病院 |
稲富 勉 |
金沢大学附属病院 |
小林 顕 |
国際医療福祉大学成田病院 |
臼井 智彦 |
③当院における実施体制
- 責任者
- 眼科教授 島崎潤
- 分担者
-
④既存情報の提供のみを行う機関
①②のほか、日本角膜学会会員が所属する施設より多数参加が予定されております。
- 外部への試料・情報の提供
本研究の対象となる方の診療情報は、氏名等の個人を特定できる情報を削除し、代わりに匿名化するためのコードを付与したうえで使用いたします。共同研究機関へのデータの提供は、「大阪大学REDCap(Research Electronic Data Capture)」にデータを登録することにより行いますが、このシステムへのアクセスは、本研究に携わる特定の者以外はアクセスできない状態で行います。氏名等の情報と匿名化コードとの対応表は、研究責任者が厳重に保管・管理し、あなたの個人情報が外部に送られることはありません。
- 予測される利益と不利益について
この研究では、患者さんがこれまで受けた治療内容に関する情報を提供するだけですので、新たなご負担が発生したり不利益を被ることはありません。
- 健康被害が発生した場合の対応について
この研究に参加することで、健康被害が生じることはありません。
- 経済的な負担や謝礼について
あなたに通常の治療費以外に新たな負担を求めることはありません。
また、あなたに謝礼をお渡しすることもありません。
- 研究への参加とその撤回について
この研究に参加するかどうかは自由です。同意されなくても、患者さんに不利益が生じることはありません。また、いったん同意した場合でも、不利益を受けることなく、いつでも同意を取り消すことができます。参加を希望されない場合は、6-③に書かれた責任者または分担者にご連絡ください。その場合は、研究用に取得した情報などは廃棄され、それ以降はこの研究目的に用いられることはありません。ただし、同意を取り消した時にすでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、完全に廃棄できないことがあります。
- 個人情報の取扱いについて
カルテの情報をこの研究に使用する際には、個人を特定できる情報は削除し、新たに研究用の番号を付けて取り扱います。あなたと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、インターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、個人を特定できる情報を使用することはありません。
- 試料や情報の保管等について
研究において得られた試料や情報はこの研究のみに使用し、研究終了後は、5年間保存した後、研究用の番号等を消去し、誰のものか分からない状態で廃棄します。
- この研究の費用について
この研究に関する必要な費用は、日本角膜学会および日本角膜移植学会の補助でまかなわれます。また、研究遂行にあたってどの研究者も利益相反状態にはありません。
- 研究に関する情報公開の方法について
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報および知的財産の保護に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
- 倫理審査委員会の承認
今回の研究の実施にあたっては、東京歯科大学市川総合病院倫理審査委員会の審査承認および病院長より許可を受けています。
- お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら、下記の連絡先までお問い合わせください。
千葉県市川市菅野5-11-13
東京歯科大学市川総合病院
眼科 島崎潤(当院における研究代表者)
電話番号:047-322-0151