本研究は日本医療研究開発機構研究費(難治性疾患実用化研究事業)の助成を受けて行われる多施設共同研究であり、当院も参加しています。研究に参加される方の安全やプライバシーに配慮して実施されるかなど、倫理的に問題がないかを当院の倫理委員会で審査を受け、病院長の許可を得て行われるものです。
- 研究機関の名称及び研究責任者の氏名
本研究の実施機関は東京歯科大学市川総合病院眼科で、研究責任者は島撫≠ナす。
また、共同研究全体の責任者は、京都府立医科大学の外園千恵となります。
- 研究の目的および意義
Stevens-Johnson症候群(SJS)、その重症型である中毒性表皮壊死融解症(TEN)は、突然の高熱に続いて全身の皮膚・粘膜にびらんと水疱を生ずる急性の皮膚粘膜疾患です。発症機序は不明で致死率が高く、急性期にはICU等での全身管理が主体となりますが、あとに後遺症として高度の視力障害とドライアイをきたし、社会復帰が極めて困難となる場合がしばしば生じます。現在の治療指針は急性期SJS/TENについてのみ記載されており、慢性期SJS/TEN患者を正しく認定することが難しくなっています。そのため、慢性期後遺症に対する治療指針の作成が必要です。本研究は、慢性期患者の治療経験を豊富に有する京都府立医科大学、慶應大学、東京歯科大学の三大学で以下の項目について実施します。
1)慢性期の診断基準の作成
2)慢性期SJS/TEN実態調査
3)慢性期SJS/TENの重症度分類作成
4)診療ガイドライン作成
5)ガイドラインの効果を検証、慢性期後遺症克服のための治療法を確立。
関連各学会の支援を得るほか、すでに作成したSJS/TEN眼障害のWEBを利用します。
- 研究の方法および期間
当院を受診されるSJS/TEN患者さんのカルテから、眼所見のデータを取り、他施設のデータと合わせて上記調査を行います。
- 研究対象者として選定された理由
SJS/TEN患者の方は人数が少なく、本疾患の治療を多く手がけている当院が共同研究を依頼されました。
- 本研究によって生じる負担と予測される利益およびリスク
本研究は、これまで診療で得られたデータの分析によって成り立っており、新たなご負担をお掛けすることはありません。
- 研究の同意および撤回の自由について
本研究の内容についての説明をお読みいただき、生じたご質問やご不明点については納得のいくまでお尋ねください。もし参加にご同意されない場合は、研究責任者もしくは分担者にご連絡ください。研究の途中いかなる時でも、ご自身の意思で自由に同意を撤回できます。同意の撤回によって患者様が不利益を被ることはありません。必要な診療および治療は十分に行われます。
- 研究に関する情報公開の方法
本研究の概要は「大学病院医療情報ネットワーク研究センター 臨床試験登録システム」に登録し、研究の進捗状況および結果を公開します。また、研究の結果は学会発表や論文掲載において公表されます。これら一連の公開の上で、患者様の個人情報が公開されることはありません。
- 研究計画書などの開示
本試験の実施に関連する臨床研究計画書および研究方法についての資料は、あなたが希望された場合、他の患者様の個人情報保護や本臨床研究の独創性の確保に支障がない範囲で、閲覧することができます。ただし、閲覧を希望されてから上記の個人情報保護および研究の独創性の確保のために、種々の手続きあるいは研究実施者および研究実施機関における協議を行います。その結果、希望された資料の一部のみの提示となる場合があることをご了承ください。
- 個人情報等の取り扱い
この研究により発生するあなたの個人情報は、第三者にもれないように取扱いを慎重に行います。この研究で得られるすべての個人情報に関しては、個人情報の保護に関する法律を遵守して扱われます。
- 試料・情報の保管および廃棄の方法
本研究で必要な診療録内容は、当院の規則に則った手続きを行ったうえで、外部へ報告されます。電子カルテ記載内容以外のデータは原則としてパソコン内に保管されますが、アクセス制限を掛けるなどの措置を行い、部外者へ渡ることはありません。また、論文掲載等の最終の公表が終了した時点ですみやかに廃棄します。
- 利益相反ついて
本研究は日本医療研究開発機構研究費の助成を受けて行われますが、その他にはすべての研究実施者、研究機関に利益相反はありません。
- 相談窓口について
この試験について何かお聞きになりたいことがありましたら、いつでもご遠慮なく下記の責任医師または担当医師にお問い合わせください。
研究責任者 島撫
研究分担者 佐竹良之、山口剛史、田聖花、冨田大輔
お問い合わせ先:〒272-8513 千葉県市川市菅野5-11-13
東京歯科大学市川総合病院眼科
電話:047-322-0151(代)
- 費用負担について
本研究で新たに行われる医療行為はなく、費用負担は生じません。