- 研究の対象
2010年1月〜2018年12月に当院の眼科に受診された方
- 研究目的・方法
目的:近年、ディープラーニング技術の確立とコンピューター性能の向上により、画像認識の精度は飛躍的に上昇しており、大量のデータと正解ラベルを与えることにより、明示的に特徴量を定義せずとも画像の識別が可能となっています。前眼部写真から診断名候補や疾患の進行度を提示する信頼性の高い人工知能(AI)を作成することが出来れば、例えば診断が困難な角膜感染症や希少角膜遺伝性疾患に応用することで一定のクオリティのものを低コストで提供することが可能となるほか、眼科医が不足している地域で導入することで当該地域の眼公衆衛生の向上を図ることが可能となる等の効果が期待されます。
方法:日本眼科学会が情報提供機関より、情報を記録したメディアの郵送によりデータの提供を受け、日本眼科学会に設置したデータ格納サーバーに保存します。日本眼科学会は、収集したデータについて施設毎にランダムに100枚?の前眼部写真を選択して前眼部写真のみをもとに診断名をつけ、情報提供機関の診断名との一致率を評価します。国立情報学研究所内でDeep learningによる学習を行う。具体的には、ハイパーパラメータの調整を行いながらtrainingとvalidationを繰り返し、学習効率のよいハイパーパラメータ(隠れ層の数、ノード数、アクティベーション関数、学習率、正則化の方法等)を探索し、前眼部写真をベースにした角膜疾患の正確な診断支援システムを構築する基盤を作成します。
研究期間: 2019年2月1日〜 2022年 3月31日
- 研究に用いる試料・情報の種類
研究に用いる試料は、当院で撮影したデジタル前眼部写真です。当院においてこれまでにデジタル前眼部写真を撮影した方全てを対象とします。中でも、診断に重要となる所見が前眼部写真に含まれる疾患(角膜瘢痕、角膜混濁、角膜感染症、水疱性角膜症、炎症性角膜疾患、円錐角膜等)と正常前眼部写真を中心に幅広く収集します。カルテ番号、生年月日、イニシャル、病理検体番号等の個人を特定しうる情報はすべて削除して、写真と診断名だけの情報として抽出して研究に使用します。
- 外部への試料・情報の提供
デジタル写真データと診断名だけを抽出したデータを国立情報学研究所に提供します。全国の研究協力機関から同研究所に情報が集まります。
- 研究組織
研究組織 |
個人情報管理責任者 |
筑波大学附属病院眼科 |
大鹿哲郎 |
東京大学医学部附属病院眼科 |
相原一 |
山梨大学医学部附属病院眼科 |
飯島裕幸 |
福井大学医学部附属病院眼科 |
稲谷大 |
名古屋市立大学病院眼科 |
小椋祐一郎 |
鹿児島大学病院眼科 |
坂本泰二 |
岡山大学病院眼科 |
白神史雄 |
金沢大学附属病院眼科 |
杉山和久 |
京都府立医科大学附属病院眼科 |
外園千恵 |
九州大学病院眼科 |
園田康平 |
京都大学医学部附属病院眼科 |
辻川明孝 |
名古屋大学医学部附属病院眼科 |
寺附_子 |
東北大学病院眼科 |
中澤徹 |
神戸大学医学部附属病院眼科 |
中村誠 |
大阪大学医学部附属病院眼科 |
西田幸二 |
新潟大学医歯学総合病院眼科 |
福地健郎 |
山形大学医学部附属病院眼科 |
山下英俊 |
岐阜大学医学部附属病院眼科 |
山本哲也 |
秋田大学医学部附属病院眼科 |
吉冨健志 |
東京慈恵会医科大学附属病院眼科 |
中野匡 |
東京歯科大学市川総合病院眼科 |
山口剛史 |
- お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出ください。また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先
〒272−8513 千葉県市川市菅野 5-11-13
東京歯科大学市川総合病院
研究責任者 眼科 山口剛史
電話:047−322−01511
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