研究名:角膜内皮移植術の治療成績の後ろ向き検討
今回の研究は、実際の診療に携わる医師が医学的必要性・重要性に鑑みて、計画して行う
ものです。この研究は当院の倫理委員会の審査を経て病院長の許可を得ています。
- 角膜内皮移植術前後のデータ提供のお願い
東京歯科大学市川総合病院(以下当院)で角膜内皮移植術を始めて15年間以上が経過しました。その間、当院で角膜内皮移植術を受けられた患者さんは800名を超える人数になりました。これまで当院で角膜内皮移植術を受けてこられた患者さんの治療成績は、とても貴重な医学的なデータになります。これらを後方視的に検討することで、今後この手術を受ける未来の患者さんの治療に活かすことができればと考えております。
- 対象
2008年以降、当院にて角膜内皮移植術を受けられた患者様。
- 本研究の目的
角膜内皮移植手術を受けていただいた患者様のカルテ上のデータ(裸眼・矯正視力、角膜屈折力、角膜乱視、眼鏡度数、角膜内皮細胞密度など)を用い、術後の視機能や術中・術後の合併症を評価します。具体的には、この手術で平均どれくらいの視力が得られ、どれくらい改善がみられたか、どのくらいの頻度で拒絶反応や緑内障などの合併症がおこりそのタイミングでどのような注意をするべきか、どういう患者さんで角膜内皮細胞数が減りやすくどうしたらその予防や治療につなげられるかを検討します。解析した結果は、国内・国外の学会での報告や論文作成に用い、医療の向上に役立てます。
- 手術前の検査
当院では手術前後で視力検査、屈折検査、角膜内皮細胞密度測定、前眼部OCT検査等を施行しています。術前後のデータはこれらの検査で測定したものを使用します。
- 研究対象者として選定された理由
当院では2008年以降、8000眼近い症例で角膜内皮移植術を施行しました。その手術手技は非常に安定しているといえますが、術後の経過は患者さんごとに差がみられます。同じ施設内でのこの手術の治療成績を振り返り解析することで、今後同じ手術を受ける患者さんに活かすことができると考え、この研究を計画しました。
- 本研究によって生じる負担と予測される利益およびリスク
本研究は、これまで診療で得られたデータの分析によって成り立っており、新たなご負担をお掛けすることはありません。
- 研究の同意および撤回の自由について
本研究の内容についての説明をお読みいただき、生じたご質問やご不明点については納得のいくまでお尋ねください。もし参加にご同意されない場合は、研究責任者もしくは分担者にご連絡ください。研究の途中いかなる時でも、ご自身の意思で自由に同意を撤回できます。同意の撤回によって患者様が不利益を被ることはありません。必要な診療および治療は十分に行われます。
- 研究に関する情報公開の方法
研究の結果は学会発表や論文掲載において公表されます。これら一連の公開の上で、患者様の個人情報が公開されることはありません。
- 研究計画書などの開示
本試験の実施に関連する臨床研究計画書および研究方法についての資料は、あなたが希望された場合、他の患者様の個人情報保護や本臨床研究の独創性の確保に支障がない範囲で、閲覧することができます。ただし、閲覧を希望されてから上記の個人情報保護および研究の独創性の確保のために、種々の手続きあるいは研究実施者および研究実施機関における協議を行います。その結果、希望された資料の一部のみの提示となる場合があることをご了承ください。
- データ提供の自由について
本研究は、現在の治療および将来的な治療の発展を目的として行いますが、ご自身の術前のデータを提供していただけるかどうかは患者様自身の自由です。提供へ同意をいただけた後に参加をとりやめるのも自由です。また、このデータ提供の参加に同意されなくても、またデータ提供後にこの参加をとりやめることがあったとしても、あなたが今後治療において不利益な対応を受けることはありません。現在の医学技術の発展は、今まで治療を受けられてきた多くの方々のご協力の上に成り立っています。今後も多くの人がよりよい治療を受けられるように、今回の手術のために得られた検査データ等のご提供をお願いします。少しでも良い視力を維持するための本臨床研究の趣旨をご理解のうえ、ご協力いただけましたら幸いです。
- 個人情報の保護について
この研究結果に関し、あなたの個人情報は漏洩しないように細心の注意を払います。具体的には、被験者であるあなたの氏名は明記せず、カルテ番号と異なる研究用番号を採用し、個人の特定ができないよう管理します。また、保管するエクセルファイルにも独自のセキュリティーロックをかけ保存し個人情報保護を充分に配慮いたします。学会発表、論文作成においても手術前後のデータは使用いたしますが、個人を特定できる情報(氏名など)は公表いたしません。
- 試料・情報の保管および廃棄の方法
本研究で必要な診療録内容は、当院の規則に則った手続きを行ったうえで、外部へ報告されます。電子カルテ記載内容以外のデータは原則としてパソコン内に保管されますが、アクセス制限を掛けるなどの措置を行い、部外者へ渡ることはありません。また、論文掲載等の最終の公表が終了した後、5年間保存し、その後すみやかに廃棄します。
- 本研究における利益相反関係について
本研究は、当院および研究者と手術関連メーカーとの間に金銭的なことを含め利益の相反関係にはありません。
- 本研究における利益相反関係について
費用負担について本研究で新たに行われる医療行為はなく、費用負担は生じません。
- お問い合わせ先
本研究において、ご不明な点やご連絡したいことがありましたら下記までご連絡ください。
研究責任者:谷口 紫
研究分担者:山口 剛史、冨田 大輔
お問い合わせ先:〒272-8513 千葉県市川市菅野5-11-13
東京歯科大学市川総合病院眼科
電話:047-322-0151(代)