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角膜移植の際に採取される組織の提供について


研究課題名:
角膜の樹状細胞・神経・上皮・内皮の組織学的検討

今回の研究は、実際の診療に携わる医師が医学的必要性・重要性に鑑みて、計画して行うものです。この研究は当院の倫理審査委員会の審査を経て病院長の許可を得ています。



1,角膜移植の際に採取される組織の提供のお願い

角膜は透明なので、少しでも炎症が起きると視力がとても落ちてしまいますから、常に炎症が起きにくく透明性を保つ特有の機能があると考えられます。同時に、目を少し触られただけでもとても痛いように、角膜は体内で最も神経がたくさんある組織として知られています。従来、角膜はとても透明で、拒絶反応が起きにくいことから、コラーゲンがメインで免疫細胞などの細胞がいないと考えられてきましたが、近年の研究から角膜には特殊な免疫細胞や内皮細胞、神経細胞などがいることが明らかになりました。当院は角膜移植を数多く手掛ける国内有数の施設ですが、角膜移植で切除し新しいドナー角膜を縫合した後には、病的角膜は廃棄されているのが現状です。この廃棄されている患者様の角膜で、どういうように神経や免疫細胞(白血球)、内皮細胞が変化しているかを、病理学的な検討をすることは貴重な研究になります。本研究を通じて、医学的な視点から、細胞の種類や形態の特定、神経走行との関連、上皮・内皮構造との関連を明らかにし、皮膚にはない角膜の免疫の特殊性を解明することで、今後の角膜移植後の拒絶反応の治療などにつなげていければと考えております。。

2.対象

2015年9月から2021年3月の期間に当院において全層角膜移植または表層角膜移植を受けられた患者様。

3.本研究の目的

本来、手術で切除され廃棄される角膜を医学研究のために使用します。角膜で重大な役割を果たしている細胞が、病気の角膜でどのような種類の細胞がどこにどのような形態で分布しているかを解析します。結果は、国内・国外の学会での報告や論文作成に用い、医療の向上に役立てます。

4. 手術前後の検査

当院では手術前後で角膜移植に必要な検査をしますが、本研究は手術で廃棄される組織の組織学的な研究ですので、一般的な角膜移植前後の検査に準じて行われ、研究とは関連ありません。

5.研究対象者として選定された理由

ヒトの角膜組織が得られることは比較的少なく、角膜移植の際に切除された角膜が通常廃棄されているため、角膜移植を受ける患者様にご協力をお願いさせて頂くことになりました。

6.本研究によって生じる負担と予測される利益およびリスク

本研究は手術で廃棄される角膜組織を頂いて行う研究であり、新たなご負担をお掛けすることはありません。

7.研究の同意および撤回の自由について

本研究の内容についての説明をお読みいただき、生じたご質問やご不明点については納得のいくまでお尋ねください。もし参加にご同意されない場合は、研究責任者もしくは分担者にご連絡ください。研究の途中いかなる時でも、ご自身の意思で自由に同意を撤回できます。同意の撤回によって患者様が不利益を被ることはありません。必要な診療および治療は十分に行われます。

8.研究に関する情報公開の方法

研究の結果は学会発表や論文掲載において公表されます。これら一連の公開の上で、患者様の個人情報が公開されることはありません。

9.研究計画書などの開示

本試験の実施に関連する臨床研究計画書および研究方法についての資料は、あなたが希望された場合、他の患者様の個人情報保護や本臨床研究の独創性の確保に支障がない範囲で、閲覧することができます。ただし、閲覧を希望されてから上記の個人情報保護および研究の独創性の確保のために、種々の手続きあるいは研究実施者および研究実施機関における協議を行います。その結果、希望された資料の一部のみの提示となる場合があることをご了承ください。

10.データ提供の自由について

本研究は、現在の治療および将来的な治療の発展を目的として行いますが、ご自身の術前のデータを提供していただけるかどうかは患者様自身の自由です。提供へ同意をいただけた後に参加をとりやめるのも自由です。また、このデータ提供の参加に同意されなくても、またデータ提供後にこの参加をとりやめることがあったとしても、あなたが今後治療において不利益な対応を受けることはありません。現在の医学技術の発展は、今まで治療を受けられてきた多くの方々のご協力の上に成り立っています。今後も多くの人がよりよい治療を受けられるように、今回の手術のために得られた検査データ等のご提供をお願いします。少しでも良い視力を維持するための本臨床研究の趣旨をご理解のうえ、ご協力いただけましたら幸いです。

11.個人情報の保護について

この研究結果に関し、あなたの個人情報は漏洩しないように細心の注意を払います。具体的には、被験者であるあなたの氏名は明記せず、カルテ番号と異なる研究用番号を採用し、個人の特定ができないよう管理します。また、保管するエクセルファイルにも独自のセキュリティーロックをかけ保存し個人情報保護を充分に配慮いたします。学会発表、論文作成においても手術前後のデータは使用いたしますが、個人を特定できる情報(氏名など)は公表いたしません。

12. 試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で必要な診療録内容は、当院の規則に則った手続きを行ったうえで、外部へ報告されます。電子カルテ記載内容以外のデータは原則としてパソコン内に保管されますが、アクセス制限を掛けるなどの措置を行い、部外者へ渡ることはありません。また、論文掲載等の最終の公表が終了した後5年間データを保管しその後にすみやかに廃棄します。

13.本研究における利益相反関係について

本研究は、角膜での炎症と神経の関連の解明から臨床上患者さんに役立つ知見を得ることを目標としており、当院および研究者と手術関連メーカーとの間に金銭的なことを含め利益の相反関係にはありません。

14.お問い合わせ先

本研究において、ご不明な点やご連絡したいことがありましたら下記までご連絡ください。


研究責任者 山口剛史
研究分担者 島崎潤
お問い合わせ先:〒272-8513 千葉県市川市菅野5-11-13
東京歯科大学市川総合病院眼科
電話:047-322-0151(代)
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