研究題目
「角膜ジストロフィの高次収差と混濁に関する後方視的研究」
研究責任者 山口剛史
東京歯科大学市川総合病院眼科
<同意表明の前提>
(1)角膜ジストロフィの角膜のデータ提供のお願い
角膜ジストロフィは角膜混濁をきたし視力が低下する遺伝性疾患です。これまで角膜ジストロフィで視力が低下する理由はアミロイドやヒアリンなどの異常たんぱくの沈着による混濁と考えられてきましたが、我々の臨床経験から角膜混濁だけでなく角膜形状異常による不正乱視の増加が視力低下をきたすタイプがある可能性があると考えられます。近年、角膜の画像診断技術の向上から、非侵襲的に赤外光による光干渉像のデータから光学データに変換し視機能を反映するまでの精度が得られるようになってきました。東京歯科大学市川総合病院(以下、当院)でも2009年からその画像技術を導入し様々な臨床応用を画像診断や予後判定に使用してきました。当院は国内有数の角膜専門施設として、数多くの角膜疾患のデータが蓄積されています。今回、角膜ジストロフィの患者で画像データが残っている方を対象に以下の後方視的研究を行い、角膜ジストロフィの視力低下の原因として高次収差があるかどうかの検討、および視機能との関連解析を行いたいと考えております。本研究を通じて診断や治療方針の決定に役立つ知見が得られると思いますので、ご協力をお願いいたします。
(2)方法:
2009年からこれまでに東京歯科大学市川総合病院に角膜ジストロフィで受診された患者さんの視力、眼鏡度数、乱視度数、高次収差を後方視的に調べます。
本研究は純粋に医学研究から今後、角膜ジストロフィの方の視機能と混濁・高次収差について研究し、新規の治療や病気の理解、医学の発展に役立てる目的で、当院および研究担当医師に営利目的の企業からの金銭の提供や授受はありません。
(3)研究期間
本研究は平成27年9月から令和3年3月31日まで。
(4)対象者として選定された理由
東京歯科大学市川総合病院に角膜ジストロフィと診断されたため。
(5)検査に生じる負担と予想されるリスク
本研究は後方視的研究であるため、研究に協力して頂いた患者さんに新たに生じる医学上の危険の増加、追加の費用はありません。本研究で得られた知見は、検査に協力して頂いた患者自身や今後角膜の治療を受ける患者さんの福音となるよう、医学研究に使用させて頂きます。本研究は倫理審査委員会の審査のあと病院長の承認を得て行われるものです。
(6)研究計画書等の開示
本試験の実施に関連する臨床研究計画書および研究方法についての資料は、あなたが希望された場合、他の被験者の個人情報保護や本臨床研究の独創性の確保に支障がない範囲で、閲覧することができます。ただし、閲覧を希望されてから上記の個人情報保護および研究の独創性の確保のために、種々の手続きあるいは研究実施者および研究実施組織における協議を行います。その結果、希望された資料の一部のみの提示となる場合があることをご了承ください。
(7)データ提供の自由について
本研究は、現在の治療および将来的な治療の発展を目的として行いますが、ご自身のデータを提供していただけるかどうかは患者様自身の自由です。提供へ同意をいただけた後に参加をとりやめるのも自由です。また、このデータ提供の参加に同意されなくても、またデータ提供後にこの参加をとりやめることがあったとしても、あなたが今後治療において不利益な対応を受けることはありません。現在の医学技術の発展は、今まで治療を受けられてきた多くの方々のご協力の上に成り立っています。今後も多くの人がよりよい治療を受けられるように、今回の外来検査でのデータ等のご提供をお願いします。少しでも良い治療や診断につなげるための本臨床研究の趣旨をご理解のうえ、ご協力いただけましたら幸いです。
(8)個人情報の保護について
この研究結果に関し、あなたの個人情報は漏洩しないように細心の注意を払います。具体的には、被験者であるあなたの氏名は明記せず、カルテ番号と異なる研究用番号を採用し、個人の特定ができないよう管理します。また、保管するエクセルファイルにも独自のセキュリティーロックをかけ保存し個人情報保護を充分に配慮いたします。学会発表、論文作成においても手術前後のデータは使用いたしますが、個人を特定できる情報(氏名など)は公表いたしません。
(9)試料・情報の保管および廃棄の方法
本研究で必要な診療録内容は、当院の規則に則った手続きを行ったうえで、外部へ報告されます。電子カルテ記載内容以外のデータは原則としてパソコン内に保管されますが、アクセス制限を掛けるなどの措置を行い、部外者へ渡ることはありません。また、論文掲載等の最終の公表が終了した時点ですみやかに廃棄します。
(10)本研究における利益相反関係について
本研究は、公正でよりよい角膜ジストロフィの診断と治療の提供を目標としており、当院および研究者と手術関連メーカーとの間に金銭的なことを含め利益の相反関係にはありません。
(11)本研究における利益相反関係について
費用負担について本研究で新たに行われる医療行為はなく、費用負担は生じません。
(12)問い合わせ先
この試験について何かお聞きになりたいことがありましたら、いつでもご遠慮なく下記の責任医師にお問い合わせください。
研究責任者 山口剛史
お問い合わせ先:〒272-8513 千葉県市川市菅野5-11-15
東京歯科大学市川総合病院眼科
電話:047-322-0151(代)